2025年 神田女学園高等学校出前講座 活動報告

7月から11月にかけて、東京都の高校生(神田女学園高等学校1年生・約160名)を対象に、全3回シリーズのキャリア講座を実施しました。

この取り組みは、JNWESの3つの目的のうちの一つである「未来を担う女子中高生へ
の理工系の魅力発信と進路選択支援」に基づき、2024年から試行しているプログラム
です。JNWESを構成する4団体から16名の協力者が参加し、企画から当日の運営まで
を共同で行いました。
日本の多くの高校では、高校1年生の秋に文系・理系いずれの進路を選択するかを決め
ます。本プログラムは、単に「なんとなくの雰囲気」で決めるのではなく、特に理工
系の魅力を知ったうえで主体的に選択してほしい、そして理系に関心を持ち、その道
を選ぶ女子高校生を増やしたい、という思いから企画したものです。
プログラムは、講演とワークを組み合わせた3回構成としました。

実施日程

  • 第1回(2025年7月):講演/ワークショップ  「進路を考える上で大切なこと」
  • 第2回(2025年10月):ワークショップ   「自分を知ろう」
  • 第3回(2025年11月):ワークショップ   「自分を知って選択する」

 

第1回:進路を考える上で大切なこと
将来の進路を考える際には、「自分を知ること」「興味を広げること」「世の中を知
ること」が重要であることを伝えました。クイズ形式にして興味を引くようにしたり
、先生方に協力してもらったりしました。夏休みを前にした生徒たちに対し、「将来
どんな自分でありたいか」を一度立ち止まって思い描き、その姿に少しでも近づくた
めに、この夏にどんな行動ができるかを考えてみるよう呼びかけました。

第2回:自分を知ろう
2回目は、グループワーク形式で「他己紹介」を用いた自己理解のワークを行いました

他己紹介とは、自分ではなく「他の人が自分を紹介する」ことで、自分では気づきに
くい強みや良さを知る手法です。これは、自己認識と他者からの見え方を整理する「
ジョハリの窓」の考え方を応用したワークでもあります。
具体的には、まず「紹介する相手について、みんなが知っている特徴」を言葉にして
伝え合い、次に「みんなは知らないけれど、私は知っているその人の良いところ」を
共有します。最後に、「みんなも私もまだ知らないこと」を、本人へのインタビュー
を通じて引き出していきます。これらを「他己紹介シート」にまとめることで、一人
ひとりが自分を客観的に見つめ直す機会となりました。

第3回:自分を知って選択する
文理選択の期限が近づく中、第3回では、これまでのワークで得た気づきをもとに、ど
のように自分の進路を考え、選択していくかについてアドバイスを行いました。登壇
者は、就職して1年目の若手社会人から、約40年のキャリアを持つ先輩までさまざま
な5名です。それぞれが、高校時代に何を考えて文理選択をしたのか、大学時代にどの
ような経験を積んだのか、どのように職業を選び現在のキャリアに至ったのかを、自
身の失敗談も交えながら率直に語りました。生徒たちは、年齢も分野も異なるロール
モデルの話に熱心に耳を傾けていました。

講座終了後にはアンケートを実施し、感想や気づき、理工系への関心度などを集計し
ています。昨年度は、このプログラムをきっかけに理工系分野への進学を希望する生
徒が増加しました。今年度も、結果を丁寧に分析し、次年度以降のプログラムの改善
と発展につなげていきたいと考えています。

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